non-no in the room  (2016)

木彫りの熊は、昭和の時代に日本中にどこでもある置物であり、近代以降を代表する日本の置物彫刻である。
それは、北海道アイヌの作った郷土品であるといわれているが、江戸時代末期に政府が産業として発展させた近代彫刻である、ということはあまり知られていない。
アイヌ民族は、自然を神として敬う自然観をもっており、その文化の中で、数々の装飾的な民具や装具も有名である。
熊はカムイ(神様)としても位が高い。
作り手は来るべき消費社会の中でそれらが売られていくのを承知ながらも、どのような思いで作ってきただろうか。
さらにそれらは、民芸品という当たり障りのよい言葉として置き換えられている。
近代(置物)彫刻、アイヌという民族、民芸工芸この要素が内在する時代の残滓としての木彫りの熊の形態から、アイヌのその自然観に倣い、制作することに自然の姿に還元することはできないだろうか。
失われたものの存在の救済と新たな自然の発生をテーマに、木彫りの熊の型を形成し、解体し作品化する。
現在では、Ornamet Plants に並行し、植物のような形態への還元を試みている。
non-no in the roomでは、木彫りの熊の形態の一部を切り出し、その形態を「花」のようなかたちを焼き物で作り出した。
それを個展の会場で、散布させて展示しているインスタレーションである。
non-no in the room-white-(2015)
素材: 木彫りの熊, 陶
サイズ: 30 × 49 × 25cm
non-no in the room-pink-(2015)
素材: 木彫りの熊, 陶
サイズ: 14 × 20 × 8cm
non-no in the room-blue-(2015)
素材: 木彫りの熊, 陶
サイズ: 39 × 28 × 20cm
non-no in the room-yellow-(2015)
素材: 木彫りの熊, 陶
サイズ: 39 × 28 × 20cm